目の病気について
はやり目(流行性角結膜炎)
結膜炎は大きく分けると細菌性結膜炎 ウィルス性結膜炎 アレルギー性結膜炎に大別されます。
この中でウィルス性結膜炎、特に流行性角結膜炎や咽頭結膜炎(プール熱)は目やに(眼脂)を介して人から人へうつりやすいため、一般に『はやり目』と呼ばれています。目の風邪のようなものとご理解ください。
症状
『はやり目』は感染してから症状が出るまで数日から10日ほどかかるといわれています。まず白目が赤くなり目やにが出ます。涙っぽい目やにがたくさん出ることが特徴で、朝起きた時目やにで目が開かないこともあります。まぶたが腫れたり、白目の粘膜が腫れてごろごろしたり、涙目になったりすることもあります。軽症の場合数日で自然に治りますが、通常一週間前後症状が持続します。重症の場合目がかすんだり、異物感が悪化し、黒目に混濁を生じることがありますので症状が悪化するときは早めに再度診察をお受けください。
治療
この病気に今のところ特効薬はありません。ウィルスに対する抵抗力をつけるため、休養を十分に取って体力を落とさないことが大切です。
細菌感染の合併を防ぐための抗菌点眼薬や、炎症を抑え合併症を防ぐために副作用の少ないタイプのステロイド点眼薬などを使用します。二種類の目薬を使用する場合、できれば点眼の間隔を数分以上あけてください。目薬をきちんとつけても1~2週間は症状が続くことがあります。症状が悪化する場合は早めに再度医師の診察を受けて下さい。
合併症と後遺症への注意
重症例では約10%の頻度で結膜炎の症状が治まってきた頃に黒目の表面に小さな点状の濁りが出てくることがあります。早めに治療を止めると異物感や充血が悪化したり黒目が濁って視力が落ちたりすることがあります。治ったかなと思ってからも1週間程度点眼を続けましょう。
はやり目にかかったら
家族や他の人にうつさないために、次のようなことに注意して下さい。
- ■目や目やにに直接手を触れないようにしましょう。手は頻回に流水と石鹸でよく洗いましょう。患者さん本人はもちろんですが、同居のご家族も頻回に手を洗うと感染予防になります
- ■目やにはティッシュペーパーで拭き、専用のビニール袋に捨てるなどして、手に触らないようにして下さい。ハンカチは用いない方が良いでしょう。
- ■タオルなど顔に触れるものは家族と別にしましょう。お風呂は一番最後に入るようにして下さい。
- ■家族の方に同じような症状が出た場合、ご自分の判断で同じ目薬を使用することはおすすめできません。一度念のため医師の診察を受けて下さい。
- ■充血・目やにが完全に消失するまで水泳や水遊びは止めましょう。
- ■保育園、幼稚園、学校は、充血、目やにが無くなるまでお休みしなければなりません。(学校に流行目の診断を受けたことをご報告いただくと欠席扱いにはなりません。)
- ■お仕事は休むことが望ましいですが、どうしてもお休みできない場合は、目を触らないことや手をまめに洗うこと等を心がけて他の人にうつさないように注意して下さい。