あおぞら眼科ワンポイントレッスン|小児眼科

成長期のお子さんの近視について

近視は屈折異常の一種で、遠くが見にくくなる状態をさします。遠くから目に入った平行光線が網膜(カメラのフイルムにあたる膜)の手前で焦点を結んでしまうためにぼやけて見えます。メガネ(凹レンズ)を使用すると網膜上に焦点が合うようになり見えるようになります。近視化は病気ではありませんし、遺伝による要素もあり、心配しすぎる必要はありません。しかし一方で、成長期に近くを見る時間が長いと近視化が進みやすい傾向があることは事実です。

増えている近視人口

先進国では今近視の子どもが増えています。もちろん日本も例外ではありません。現在、関東のある都市では小学校6年生の男子の約50%、女子の70%が視力0.7以下の近視と報告されています。
外遊びが減る一方で、ゲーム、テレビ、携帯電話、コンピュータ等近くを集中して見る時間が増えていることが要因と考えられています。中でも小型の携帯ゲーム機は至近距離で画面を集中して凝視しますので、毛様体筋というピント合わせの筋肉を疲労させ、近視の進行を最も助長する可能性があります。
成長期に近くを見る時間が多ければ多いほど近視が進行するリスクは増えます。もちろんどんなにゲームをやっても近視にならないお子さんもいますし、気をつけていても近視になるお子さんもいます。しかしながら多くの場合、お子さんの近視化には環境の要素も関わると考えたほうが良いでしょう。遺伝だからと諦めずに、近視にならないため、そして近視が進まないための注意を心がけることをお勧めします。

近視を進ませないためには

勉強、読書、コンピュータ等で近くを集中してみる時間の合間に、遠くを見る時間を少しはさむ努力をすると近視の進行を多少防げると言われています。お部屋の壁のピンナップ写真やカレンダー、あるいは少しはなれたところのぬいぐるみなどでも良いですから、2-3m以上はなれた目標を30分に1回以上、数十秒から数分見つめる時間をとりましょう。姿勢を正しくして、本やコンピューターの画面からの距離を保つことも大切です。(寝ながら暗いところで本を読んだりするとどうしても本との距離が近くなりますから要注意です。)
外を歩くときは意識して遠くの看板等の目標を見つめる時間を作りましょう。電車に乗っているときも本を読むばかりでなく、遠くの景色や少し離れた吊り広告の文字を読んでみるなど離れたところにピントを合わせる時間を持ちましょう。成長期のお子さんにこうした指導をしていただくことで近視の進行はある程度防げる可能性があります。アフリカの草原で狩猟生活をする人たちにおける近視の率はきわめて低いのは事実ですし、外遊びの時間が長いお子さんの方が近視になりにくいという調査結果も明らかになっています。

メガネについて

適切な度数のメガネを使用する限り、メガネが近視を進行させることはありません。むしろ最近のデータでは、近視があるのに無理してメガネを使用しなかったり、度の弱すぎるメガネを使用したりすると近視が進行しやすいといわれています。遠くが見えない状態で生活しますと、近くでしかピントを合わせることが出来ず、相対的に近くを見る時間が増えますのでより近視が進みやすいとも考えられます。近視の進行に合わせて、適切な度数のレンズに交換していくことが大切なようです。(したがって成長期におけるメガネのレンズは消耗品と考え、あまり高価なものを求める必要はありません。)
お子さんの場合、授業中の黒板の字が見にくいなど日常生活に不便を生じた段階で眼鏡を作成する必要があります。お子さんが自分から不便を訴えるケースは比較的少ないですから、目を細めて見ていないか等保護者の方が日頃から見え方に注意しておくことも大切です。(学校保健では、両眼で0.7以上の視力を保つことが推奨されています。)
眼科では点眼薬で正確な近視の度数を計測したり、調節緊張症や仮性近視を除外したりして正確な近視の度数を推測して眼鏡処方をしています。特に成長期のメガネは強すぎる度数のメガネにならないように眼科専門医の処方をお受けになることをお勧めします。

近視の治療について

残念ながら一度進行した近視を目薬等でもとに戻すことは困難です。最近ではエキシマレーザーを用いてレーシック(LASIK)等の手術で近視を矯正する事が出来るようになりましたが、成長期のお子さんには適応はありません。
すでにお話ししたように、日常の生活の中で、遠くを見る時間をいかに保つかが大切です。近くを見ざるを得ない場合も、姿勢をよくして、ときどき遠くを見て目を休ませる努力をして近視の進行を最小限にしましょう。
眼科では屈折異常の患者さんに点眼剤を使用することがあります。これは主に毛様体筋という近くにピントを合わせる時に働く目の中の筋肉を休める効果のある点眼薬です。近視が治るわけではありませんが、毛様体筋が過度に緊張して仮性近視の状態が加味している場合、点眼により近視度数が軽減することがあります。正確な近視の度数を知るためや、近視の進行を少しでも遅らせようとするときに使用します。あおぞら眼科クリニックではメガネを処方する前の検査時や、近視が進行した時に数週間点眼を使用していただいています。(点眼は近視の正確な度数を知るために有効ですが、点眼の近視抑制効果はそれほど期待できるものではありません。毎日の生活習慣に注意を払うことの方がより大切と考えています。)

お子さんのコンタクトレンズについて

コンタクトレンズは目に直接触れるレンズですので、使用するにあたり多少のリスクを伴う事をご理解ください。一般には取り外しや消毒など取り扱いに責任が持てる年齢までは使用をひかえた方が無難です。しかしながらサッカーやラグビーなど激しいスポーツでは眼鏡を使用することが困難です。したがって小学生のお子さんでも目的によりコンタクトレンズを使用することがあります。この場合、安全性を考慮して使い捨てにするタイプのソフトコンタクトレンズをお勧めしています。

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは、夜間だけ目にハードコンタクトレンズを装用して近視を矯正する方法です。特に成長期のお子さんへの使用は安全性が確立されておらず、あおぞら眼科クリニックでは現在取り扱っておりません。